Hyperledger Fabricは秘匿性と利用のしやすさを兼ね備えたブロックチェーンのプラットフォームです。誰でも利用できるのではなく、事前に許可された人が利用できる許可制ネットワークとなっています。また、データの共有も公開したいデータのみを公開できる仕組みとなっているので、情報漏洩のリスクも抑えることが可能です。カスタマイズ性も高く、さまざまな用途・業界に応じて機能を追加して、使用しやすいように設定できます。
「Hyperledger Fabric」の特徴
最適な設定にカスタマイズできる
Hyperledger Fabricはブロックチェーンの調整にプラグイン(機能追加)ができるよう構築されたシステムを利用しており、必要なシステムや合意形成プロトコル(合意形成の取り決め)を追加できるようになっています。
不要なシステムや合意形成を入れたままにしていると、データ処理の量や性能が低下する可能性があります。そのため、不要なものは外し、必要なものを入れられるようにしておくことで、利用者の目的や用途に応じて最適な設定にカスタマイズして利用できます。
比較的導入しやすいプラットフォーム
もう1つの特徴は、Hyperledger Fabricの利用開始が非常に簡単なことです。Hyperledger Fabricでは一般的なプログラミング言語を使用しており、あらかじめ設定したルールで取引したり、外からの情報をもとに実行したりする「スマートコントラクト」を行えるプラットフォームとなっています。新しくカスタマイズされた言語やドメイン固有言語(DSL)を学ぶ必要がないので、簡単に導入をすることができます。
「Hyperledger Fabric」誕生の背景
Hyperledger Fabricは、Linux財団(Linux Foundation)が2015年に開発したブロックチェーンのプラットフォーム。IBM社のエンジニアにより、法人向けの事業を行う会社向けのシステムとして開発されました。
ビジネスでは複数の会社とやり取りがあることが多く、ある企業からは仕入れを行い、他のある企業には販売を行っていることもしばしば。このように、同じ利用者でも異なる立場を持っていることがあります。そのため、必要な情報を一部に公開し、他の企業には非公開にできるシステムが必要です。事前に許可された人だけが参加できるパーミッション型のHyperledger Fabricなら、それが可能です。また、匿名の参加者を阻止でき、許可されたユーザー間で情報を共有できる企業間での取引(BtoB)に特化しているので、安心してビジネスでの利用ができます。
「Hyperledger Fabric」が向いている業界とは?
Hyperledger Fabricは、銀行や医療・IoT・製造・製品の材料や部品の調達から販売まで行うサプライチェーンなど、幅広い業界に向いています。Hyperledger Fabricは、許可制ネットワークを採用しています。事前に許可した特定の相手だけが参加できるので、安心してやり取りや取引が行えます。また、必要なデータシステムを追加できるプラグ可能システム・データ共有をしたいものだけを共有できる秘匿性を備えています。さまざまな業界での企業間のやり取りや在庫情報の共有・販売や仕入れなどのビジネス取引に利用できます。
「Hyperledger Fabric」の導入事例
[事例1]小規模コーヒー農家と消費者をつなげる支援
通常、コーヒー農家とコーヒー愛好家は接点を持つ機会がなく、コーヒー農家が豆の値段で生活を左右される暮らしや苦悩は伝わりにくい状態にあります。Hyperledger Fabricで開発されたアプリ「Thank My Famer」では、感謝のチップを送ることで、お気に入りのコーヒーがどのような経路で手元に届いたかを確認することができます。その結果、コーヒー農家の支援や社会起業家の支援プロジェクトに活用することができるようになりました。
ブロックチェーン技術が、小規模なコーヒー農家と消費者をつなげる支援に活用されています。
[事例2]非接触型電子チケットの活用
2020年11月20日にアメリカのアドリアン・アーシト舞台芸術センターで公演が行われた際、コロナウィルスの感染リスクを下げるために従業員と参加者の接触する時間を極力減らす必要がありました。Hyperledger Fabricで開発された「The True Tickets service」では、遠隔で非接触型チケットの発行を行うことができて対面でのやり取りは最小限になりました。また、会場側でのチケットの購入や参加者の把握・安全上でのルールを参加者と共有しやすくなりました。
IBMの会社概要

会社名 | 日本アイ・ビー・エム株式会社(米IBMの日本法人) |
本社所在地 | 東京都中央区日本橋箱崎町19-21 |
電話番号 | 03-6667-1111 |
業務内容 | コンピューター関連サービス、ハードウェア・ソフトウェア開発など |
公式HPのURL | https://www.ibm.com/jp-ja |