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保険業界におけるブロックチェーンの導入事例

さまざまな業界で活用が模索されているブロックチェーン。保険業界でもブロックチェーンの普及に向けた実証実験や、コンソーシアムの設立が行われています。本記事では、保険業界におけるブロックチェーンの取り組みや導入事例をご紹介します。活用方法を模索している企業担当者の方は、参考にして頂けたらと思います。

保険業界における「非金融ブロックチェーン」の活用

保険業界では、ブロックチェーンを用いた保険業務の業務効率化や、自動化の実現に取り組んでいる企業があります。仮にブロックチェーンで業務効率が高まれば、生産性向上を達成できます。また、自動化が成功した場合、人員削減によるコスト抑制も可能になるでしょう。

ブロックチェーンは、保険業界に変革をもたらす可能性を秘めた技術です。例えば、ブロックチェーンに記録されたデータは改ざんが難しいため、保険契約における不正防止効果が期待できます。また、データの共有体制を構築すれば、医療機関との連携を実現し、保険料の支払い業務を簡素化できる可能性があります。このように、ブロックチェーンは幅広い分野への応用が可能です。

ブロックチェーンが
解決する保険業界の課題

保険金の不正請求防止

ブロックチェーンの技術を活用することで、保険金の不正請求を防止することができます。2019年に損保総研が発表したデータ(※1)によると、日本の保険金詐取総額(交通事件のみ)は約3億1400万にものぼりました。

警察が摘発した金額よりも実際は被害総額が大きいことを考えると、ブロックチェーンの技術を用いて各社が情報共有できる仕組みをつくることは、保険金の不正請求を防止したり、同じ契約者からの重複請求を排除したりが可能になるため、保険業界に大きなインパクトを与えると言えるでしょう。

参照元URL:http://www.sonposoken.or.jp/reports/wp-content/uploads/2019/08/sonposokenreport128_2.pdf

データ共有の簡略化

これまで保険業界では、顧客の信用情報は金融機関で管理されていたため、必要に応じて金融機関に照会する形を取っていましたが、ブロックチェーンの技術を活用することで、簡単に金融機関や複数の保険会社で信用情報を共有することができるようになります。

その結果、金融情報はもちろん反社情報についても各社が等しく情報を得られるため、顧客情報量の差が理由で他社に遅れを取ることはなくなるでしょう。

社内での作業効率化という側面から考えても、保険業界全体でデータを共有する方が、これまで自社で独自に作成、保有していたデータベースを利用するよりも、より正確な情報が得られるため、効率よく仕事が進められるようになるといえます。

コストの削減

ブロックチェーンの技術を用いることで、人件費や書類発送費といったコストを大幅に削減できると期待されています。

アナログな習慣が残る保険業界では、契約から保険金の請求、登録情報の修正までを書面で行うケースが多く、その都度書類の発送や内容確認、支払い査定、顧客とのやり取りを行う担当者が必要でした。しかし、これらのデータをブロックチェーン上で共有することで、書類の発送も不要になります。

また、アメリカの自動車保険会社ではすでに実施されていますが、保険会社が過失を起こした運転手が契約している保険会社から費用を回収する際に、ブロックチェーンを用いて精算作業を行っています。今までは手作業で一件ずつ行っていたものが瞬時に完了し、間違いが起こることもありません。

保険業界でのブロックチェーン活用方法

スマートコントラクト

スマートコントラクトは、契約を自動化する仕組みを指します。これまで契約時の手続きは紙ベースが通例でしたが、これを自動化することで人的、金銭的コストの大幅削減につながります。BCG(ボストンコンサルティンググループ)によると、年間2000億ドル以上のコストダウンにつながるとのことです。

また、保険金請求の処理と支払いを自動化したり、保険料未払いの際に顧客の別の銀行口座から自動引き落としを行ったりといったことも可能になるでしょう。スマートコントラクトの技術を用いることで、顧客への電話や通知書類の発送などの手間を減らすことができるのです。

引受査定の自動化

ブロックチェーンの技術を活用することで、これまで判断に時間を要していた引受査定の自動化が可能になります。

申込人が反社会的勢力などの活動に関わっている場合、保険引受を断られますが、これまでは金融機関がこれらのデータを管理していました。しかし、ブロックチェーンを用いることで金融機関とデータを共有できるため、申込段階で即引受査定ができるようになるのです。

保険業界の導入事例・ユースケースを掲載している
おすすめの開発会社

シーエーシー

株式会社シーエーシー公式サイトTOP画面のキャプチャ
引用元:株式会社シーエーシー(https://www.cac.co.jp/)

システム構築や運用管理を手がけるシーエーシーは、あいおいニッセイ同和損害保険と連携してスマートコントラクト保険の実証実験を実施しました。

あいおいニッセイ同和損害保険の実証実験

スマートコントラクトは、ブロックチェーンを応用した契約を自動化する手法のこと。あいおいニッセイ同和損害保険は、2018年に実証実験を行い、ペーパーレス化や手作業の省力化が可能なことを確認しました。また、省力化が保険料の低減にも繋がり、低価格・低コストの保険商品の提供も実現できます。

顧客はスマホがあれば保険加入から保険金請求まで可能なため、サービスの利便性にも繋がります。スマートコントラクト保険は、保険会社・顧客双方にさまざまなメリットをもたらします。

参照元:シーエーシー公式サイト(https://www.cac.co.jp/trends/trend20.html
参照元:あいおいニッセイ同和損害保険公式サイト[pdf](https://www.aioinissaydowa.co.jp/corporate/about/news/pdf/2018/news_2018111500535.pdf

シーエーシーの会社概要

会社名 株式会社シーエーシー
本社所在地 東京都中央区日本橋箱崎町24-1
電話番号 公式サイトに記載なし
業務内容 システム構築・運用管理、BPOサービス
公式URL https://www.cac.co.jp/

コンセンサス・ベイス

コンセンサス・ベイス株式会社公式サイトTOP画面のキャプチャ
引用元:コンセンサス・ベイス株式会社(https://www.consensus-base.com/)

コンセンサス・ベイスは、ブロックチェーンのコンサルティングやシステム開発などを行う専門会社です。ここでは、保険業界における同社の事例をご紹介します。

SBI日本少額短期保険の導入事例

SBI日本少額短期保険はコンセンサス・ベイスと連携し、代理店・募集人管理基盤システムを構築しました。少額短期保険を取り扱う代理店には、一定の条件下で複数の保険会社を取り扱える乗り合い制度があります。一方で少短会社は増加しており、保険会社間での代理店の情報共有が課題になっています。

SBI日本少額短期保険のシステムは、複雑な代理店情報・管理業務の簡素化を目的としています。このシステムを導入することで、代理店管理業務の効率化や省力化が期待できます。また、ブロックチェーンの情報の安全性により、代理店情報の漏えいや改ざん防止も可能になります。

参照元:SBI日本少額短期保険公式サイト(https://www.sbigroup.co.jp/news/2020/1027_12174.html

コンセンサス・ベイスの会社概要

会社名 コンセンサス・ベイス株式会社
本社所在地 東京都品川区東五反田1-13-12
電話番号 公式サイトに記載なし
業務内容 ブロックチェーンのコンサルティング、システム開発、実証実験など
公式URL https://www.consensus-base.com/

ディーカレット

株式会社ディーカレットホールディングス公式サイトTOP画面のキャプチャ
引用元:株式会社ディーカレットホールディングス(https://www.decurret-dcp.com/)

ディーカレットは、デジタル通貨に関する事業を手がけている会社です。同社では、2020年に東京海上日動火災保険と自動化における実証実験を実施しました。

東京海上日動火災保険

東京海上日動火災保険が行った実証実験は、スマートコントラクトを用いた保険金支払い自動化に関するものです。保険金の受け取りには複雑な手続きが生じますが、ブロックチェーンを使って自動化することで、支払業務の迅速化・効率化を実現できます。

実証実験では、ブロックチェーン上に保険契約情報を登録し、事故発生時は事故情報をブロックチェーン上に読み込ませる実験を行いました。そして契約情報と事故情報を照らし合わせ、支払条件に合致したかどうかを自動判定。保険金をデジタル通貨で即座に支払う仕組みの有効性を確認しました。その結果、トークンを保険料や保険金とみなすことで、支払い業務の自動化や有効性が実証されています。保険金支払いが自動化されれば、人員削減によるコスト抑制や、迅速化による利便性向上を実現できます。

参照元:東京海上日動火災保険公式サイト[pdf](https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/company/release/pdf/200513_01.pdf

ディーカレットの会社概要

会社名 株式会社ディーカレットホールディングス
本社所在地 東京都千代田区富士見2-10-2
電話番号 公式サイトに記載なし
業務内容 デジタル通貨事業
公式URL https://www.decurret-dcp.com/
ブロックチェーン導入を検討するなら、事例はもちろん“自社に適したプラットフォーム選び”も大事

海外の製造業界におけるブロックチェーン活用事例

Nationwide Insurance

Nationwide Insuranceは、ブロックチェーン技術を活用した保険の新商品を開発しました。従来の保険商品は質問項目が多く、若い年代の潜在顧客には魅力的ではなかったため、数個の質問に答え、身分証明書をアップロードするだけで自動的に契約が完了する仕組みを構築しました。

ConsenSys

ニューヨークに本社を置くConsenSys社は、Codefiというツールを使い、保険会社や金融機関に向けたブロックチェーンのシステムを提供しています。スマートコントラクトはブロックチェーンで活用できる便利な機能ですが、脆弱性も指摘されているため、同社のセキュリティ部門が安全対策を施したDiligence機能を開発しました。各保険会社はConsenSys社のツールを採用することで、データ共有や自動契約、監査などを行うことができます。

Etherisc

ドイツに拠点を置くEtheriscは、イーサリアム上での分散型保険を開発し提供しています。たとえば、飛行機が45分以上遅れた場合に保険金が支払われるFlight Delay Insurance(航空機遅延保険)や、一定の基準値を超えるハリケーンが発生した場合に備える保険Hurricane Protectionなどがあります。これらの保険の支払い時にはスマートコントラクトが適用され自動で行われるため、書類の発送などは不要です。

Blockchain Insurance Industry Initiative (B3i)

スイスに拠点を置くBlockchain Insurance Industry Initiative(B3i)は、ヨーロッパの再保険会社など5社が集まって設立された団体です。

ブロックチェーン技術を用いたB3i Fluidityというプラットフォームを使い、巨大災害が発生した際の超過損害額について、再保険会社との契約や取引プロセスを自動化することに成功しました。2020年には再保険会社や保険会社など20社以上が、B3i Fluidity上で再保険契約を行っています。B3i Fluidityの利用で、各社が情報共有を効率よく行えるようになりました。

非金融ブロックチェーンをパーミッション型で導入するなら「ユースケースに合ったプラットフォーム」を選ぶのがおすすめ

ブロックチェーンは、元々暗号資産などの金融領域で活用されていた技術です。各プラットフォームには特性があり、業界・分野によって向き不向きが分かれます。そのため、知名度や開発コストのみで決めようとせず、得意な分野やユースケースなどを総合的に判断し、自社に適したプラットフォームを選びましょう。

代表的なプラットフォーム3つに特化した 開発会社3選

3つのプラットフォームは、それぞれ日本国内での導入実績が多数ありますが、選ぶ際は開発会社を慎重に決めることが重要です。自社に適切なプラットフォームを選ぶには、システム構築はもちろん、その後のデータ活用やマーケティング戦略など、幅広いコンサルティング相談に対応している開発会社を選ぶ必要があります。ここでは、各プラットフォームに特化したおすすめの開発会社をご紹介します。

[各プラットフォームの対応領域について]
GoQuorum…「非金融領域」「金融領域(暗号資産以外)」「暗号資産」の領域に対応。
Hyperledger Fabric…主に「非金融」「金融(暗号資産以外)」の領域に対応。
Corda…主に「金融(暗号資産以外)」の領域に対応。

▼横スクロールできます▼
開発会社 トレードログ 日本アイ・ビー・
エム
TIS
対応プラットフォーム
GoQuorum
Hyperledger Fabric
Corda
ユースケース
  • ・サプライチェーン
  • ・銀行および金融サービス
  • ・国際貿易と商品相場
  • ・高級ブランドの真贋証明
  • ・銀行間情報ネットワークなど
  • ・貿易金融
  • ・銀行
  • ・非接触型電子チケット
  • ・医薬品のサプライチェーン
  • ・教育と訓練
  • ・スマートエネルギー管理など
  • ・キャピタルマーケット
  • ・貿易金融
  • ・サプライチェーン
  • ・不動産
  • ・デジタルアイデンティティ
  • ・デジタルアセット
  • ・エネルギー
  • ・ヘルスケア
  • ・保険
  • ・GovTech
  • ・通信など
主な利点
プライベート
トランザクション
実行するノードを指定したトランザクションであり、トランザクションの実行結果は、指定されたノードにのみ保持され、データの秘匿化が可能。
コンセンサス
アルゴリズム
複数の情報管理者がいる状況下でも、データの改ざんや不正がなく、正しく取引が承認されます。
開発コストを抑制
フルマネージドサービスのAzure Blockchain Serviceやイーサリアム向けの開発ツールに対応しているため、開発コストの削減が期待できます。
機密性の高い取引
共有したいデータのみを、共有したい当事者に公開します。
プラグ可能な
アーキテクチャー
業界ニーズに対応するためのブロックチェーンの調整には、汎用的なアプローチではなく、プラグ可能なアーキテクチャーを使用
開始が簡単
チームが現在使用している言語でスマート・コントラクトをプログラムできます。カスタム言語やカスタム・アーキテクチャーの習得は不要です。
プライバシーの担保
取引を全ノードで共有することはせず、必要なノード間でのみ共有するため、他社に自社の取引内容を知られることがありません。
インターオペラビリティ
Corda上で動く複数のアプリケーション間でデータの移転や連携ができることで、複数システム間をシームレスにつなげることが可能です。これによりバリューチェーン融合が可能。
スケーラビリティ
Cordaは関係者ノードとの通信であるため、トランザクションの並列処理が可能で、処理速度はネットワークサイズに依存しません。
「開発会社」の
特徴
非金融領域に特化したブロックチェーン導入をしており、GoQuorumに精通している。 Linux Foundation Hyperledgerプロジェクトの創設メンバーであり、許可制ブロックチェーン・ネットワークの認定フレームワークであるHyperledger Fabricの開発に協力している。 米国R3社と資本・業務提携している。
公式サイト
[代表的なプラットフォーム3選の選定基準]
ブロックチェーンなどの分析を手掛ける「Blockdata(https://www.blockdata.tech/)」による2019年4月のレポート「Forbes ブロックチェーン 50 の分析」(参照元:https://www.blockdata.tech/blog/general/breaking-down-the-forbes-blockchain-50)のうち、最も人気のある開発プラットフォーム上位3社をピックアップ。
※1位の「Ethereum(イーサリアム)」は暗号資産メインのため、ここではEthereumをtoB企業向けに改編した4位の「Quorum」を選出。
[各プラットフォームに特化した開発会社3選の選定基準]
「ブロックチェーン」「開発会社」「ベンダー」でGoogle検索して表示された非金融領域でのブロックチェーンを開発している開発会社35社のうち、下記条件に合致している開発会社をピックアップ。
トレードログ:公式サイトに導入実績を公開しており、かつGoQuorumの実績掲載数が一番多い。
日本アイ・ビー・エム:公式サイトに導入実績を公開しており、かつHyperledger Fabricの実績掲載数が一番多い。
TIS:公式サイトに導入実績を公開しており、かつCordaの実績掲載数が一番多い。
どの開発会社も専門的な知識があるので
安心できそうだね!
でも大企業ばかりだし、開発費用も莫大なんじゃないかしら。その点はちょっと不安ね。
適したプラットフォーム選びから
データ活用まで、相談したい場合には…

「ブロックチェーン技術を非金融領域に導入したいけれど、どんな開発会社に相談していいかわからない…」そんなときは、代表的なプラットフォームを使った非金融ブロックチェーンの導入実績がある開発会社を選ぶのがポイントです。適切なプラットフォーム選びはもちろん、構築後のデータ活用、マーケティング戦略など、さまざまな相談にのってもらえるコンサルティング対応の開発会社であれば、さらに安心です。