近年よく注目されている技術の一つとして、「Web3」と「ブロックチェーン」の2つがあげられます。実際にこれらはどのような違いがあるのでしょうか。Web3とは何なのか、ブロックチェーンとの具体的な違いについて見ていきましょう。
Web3とは
Web3(Web3.0)とは、第三世代のWebのことを言い示す言葉です。2014年に著名なブロックチェーンプロジェクトの共同設立者によって提唱された考え方として知られており、「分散型とプライバシー保護を徹底したインターネットインフラ」による、特定の運営者に依存しない分散型アプリケーションを用いた概念として知られています。
Webの考え方・世代は、Web3を含めておもに以下の3つが挙げられます。
- Web1:1990年代の中ごろからのインターネット環境
- Web2:2000年代中ごろからのインターネット環境
- Web3:2014年に提唱されたインターネット環境
Web1は第一世代とも呼ばれ、ネットで商品を購入したり、ニュースを読めるようになった時代です。Web2はSNSがメインとなった時代であり、写真や動画を気軽に発信できるようになったのが特徴。
2024年現在、最新のWeb概念として考えられているのは「Web3」であり、ブロックチェーンやNFTをはじめ、AIやメタバースといった技術が挙げられます。
ブロックチェーンとWeb3の違い
ブロックチェーンとWeb3には、それぞれ以下のような特徴があります。
ブロックチェーン
ブロックチェーン技術は、分散されたネットワークで合意形成を行うアルゴリズムを使用することをあらわします。取引データを「ブロック」という入れ物にまとめ、それをチェーンのように連鎖的に繋げることでネット上の取引を記録していきます。
- 中央管理者がおらず、運用する組織や構成するノードが分散型である
- 透明性が高く、全ての参加者が保存データを見られる
- 仮名性が高く、取引内容は見られても、取引者についてはプライバシーが保たれる
Web3
Web3では、サーバーを介さない「P2P」と呼ばれる技術を採用しています。不特定多数の端末が、端末同士でデータファイルなどを直接共有できる通信技術・ソフトウェアのことであり、「分散型である」という点においてはブロックチェーンと特徴が共通しています。
ただしWeb3はあくまで「ブロックチェーン技術を応用したサービス」のことであり、データの信頼性を高めたり、ブロックチェーン上でアプリケーションを動作したりといったサービス群をあらわす言葉や考え方、概念です。
Web3のメリット
セキュリティが強化される
Web3が持つWeb2・1との大きな違いは、セキュリティの強固さにあります。従来のWeb2ではサービス提供者がデータを一元管理していたため、サイバー攻撃や情報漏洩といったリスクが常に潜んでいました。
しかしWeb3はブロックチェーン技術を用いているため、こうしたリスクに備え対処することが可能です。ブロックチェーン特有の「データを分散して保存する」という強みにより、一か所のサーバーが攻撃を受けたとしても、データ全体の安全性を維持できるのです。
データの改ざんができない
ブロックチェーン技術の特性の一つが、一度記録されたデータの改ざんが非常に困難であるという点です。各ブロックに入れられたユニークな情報は、前に繋がるブロックへのリンクが含まれており、それらが連鎖的に繋げられた状態です。
そのため一つのブロックを改ざんしようとしたところで、それ以降の全てのブロックを変更しない限り、データの改ざんは不可能と言えるでしょう。ブロックチェーンネットワーク上の全ノードが一貫したデータを保持している点も、改ざんを不可能にします。
より強固なプライバシー保護が可能
Web3では、各ユーザーがそれぞれで自分のデータをコントロールして、どのような方法で共有していくかを選択できるのが特徴。従来の中央集権型プラットフォームと比較すると、個人のプライバシーをより強固に守ることができるでしょう。
ブロックチェーン技術を使ったアプリケーションでは、分散化されたユーザーデータがそれぞれでアクセス権を持つため、必要に応じてのみ管理・共有できるのです。
サーバー障害に影響を受けない
Web3はサーバーを仲介しないため、仮にサーバー障害が起きたとしてもほとんど影響が見られないのがメリットです。もしサーバーやネットワークポイントに障害が発生した場合でも、他のノードが機能していれば、システム全体が維持され続けます。
また、データが複数の場所に分散して保存されていることから、一か所で問題が発生しても全体でみたデータの安全性やアクセス性は保たれ、ユーザーからの信頼性も高くなるでしょう。
グローバルな取引が進む
従来のインターネットでは、特定の国・地域のみでアクセス可能なWebサイトが存在していたため、国によっては特定のサイトにアクセスできないという状態もありました。
Web3では分散型のネットワーク技術により、同一のURLで世界中のどこからでもアクセスできるようになりました。そのため地理的な制約や政治的な制限などによる影響を受けにくくなり、グローバル市場での取引がしやすくなりました。
Web3のデメリット
専門知識が求められる
メリットも多い一方で、Web3を活用していく上では「ブロックチェーン技術」「仮想通貨」といった新たな技術の知識が求められます。Web2のようにプラットフォーム側のサポートやガイドラインが充実していないため、ユーザー自身が勉強し、使いこなすしかありません。
この学習の必要性がユーザーにとっては高いハードルになってしまいますから、自由にシステムを構築するためにはある程度のリテラシーが欠かせません。
今後法規制を受ける可能性がある
Web3が比較的新しい技術である上、発展や技術の進化が急速です。そのため現行の法整備に追いついてないというのが現状です。ですから国や行政機関、立法機関からの規制を受ける可能性も念頭に置く必要があります。
特にブロックチェーン技術や仮想通貨取引に関する法規制は国によって異なりますから、場所によってはWeb3を利用した取引や活動が妨げられる可能性もあり得るのです。あらかじめ、利用目的や場所に応じて法的な影響を下調べしなければなりません。
自身でトラブル対応する必要がある
従来の中央集権型プラットフォームでは、ユーザー間でのトラブル時には運営会社がサポートにあたっていました。しかしWeb3にはこうしたサポートはないため、トラブルが発生した際には各ユーザーが自己責任で対応しなければなりません。
例えば仕事の受発注におけるトラブルなども考えられるため、事前にユーザー同士で契約書を作成するなどし、契約や取引には慎重になる必要があります。