GoQuorumは、イーサリアムをベースに作られたブロックチェーン用のプラットフォームです。事前に参加する人を設定できるパーミッション型のプラットフォームで、プライバシーに配慮したトランザクション(一定量の取引データ)を実装しています。また、コンセンサスアルゴリズムでデータ処理速度や決済の取り消しができないようにできるため、企業間の取引をスムーズに行えます。
「GoQuorum(旧称:Quorum)の特徴
アクセス範囲が設定できるトランザクション
GoQuorumの場合、トランザクション(取引記録)の方法として、コンソーシアムに参加しているメンバー全員がアクセス可能な「パブリックトランザクション」と、あらかじめ決められたメンバーだけがアクセスできる「プライベートトランザクション」の2つがあります。
トランザクションは、トランザクションマネージャー(他のシステムからの影響を遮断して処理を実行するサービス)によって制御されていますが、アクセス範囲は変更が可能です。
たとえば、同じ会社であっても、取引相手に合わせて公開したい情報が異なる場合があります。こういったケースでは、プライバシーに配慮した機能を持つGoQuorumであれば、企業同士のやり取りがスムーズに行うことができます。
用途に応じたコンセンサスアルゴリズムに対応可能
GoQuorumは、「Clique POA」「Raft-based Consensus」「Istanbul BFT(IBFT)」という3つのコンセンサスアルゴリズムに対応しています。そのため、ブロックチェーンを導入する際には、どれか1つを選ばなければなりません。
「Raft-based Consensus」は、取引の処理スピードが高くビザンチン障害耐性がないのが特徴です。
「Istanbul BFT(IBFT)」は、ビザンチン障害耐性はあるのですが、「Raft-based Consensus」よりも処理スピードが遅いというデメリットがあります。
「Clique POA」は、トランザクションの書き込みは早いものの、フォーク(すでにある成果物から新しいプロジェクトを立ち上げる)が落ち着くまで、データが不正確な可能性があるという特徴があります。
GoQuorumは、パーミッション型のブロックチェーンで、閉鎖的なネットワークでもあるため、用途に応じて使いやすいアルゴリズムコンセンサスを選択することが大切です。
「GoQuorum」誕生の背景
GoQuorumは、J.P. Morganが2016年に開発したプラットフォーム。ビットコインなどによく用いられるイーサリアムを、企業間取引向けのプラットフォームとして改変されたものです。2020年にはConsensysにより買収されました。(その際、QuorumからGoQuorumへと名称が変更)
イーサリアムは、独自のブロックチェーンが構築できるOSS(オープンソースソフトウェア)のプラットフォームです。しかし、一定の時間内での処理速度やプライバシーへの配慮に問題があったため、企業が利用するにはあまり向いているとは言えませんでした。
GoQuorumは、このような課題を解決できるブロックチェーン・プラットフォームとして誕生しました。Hyperledger Fabric、Cordaなどのブロックチェーン・プラットフォームと同じように、事前に許可された人のみが参加できるパーミッション型(許可制)のブロックチェーン・プラットフォームとなっています。
「GoQuorum」が向いている業界とは?
GoQuorumは、さまざまな領域で利用しやすい機能を持っているので、特別に向いている業界はないといえます。
しかし、アクセスの範囲を設定できる機能もあるプラットフォームなので、企業間取引(BtoB)の多い会社に向いており、業務における在庫管理や取引情報の共有などがスムーズできるようになります。こういった理由から、金融領域以外でのブロックチェーン導入に向いているプラットフォームとして注目されています。
「GoQuorum」の導入事例
[事例1]高級ブランドにおける真正性の証明
高級ブランド業界では、新品・中古品問わず、偽物が出回ったことによる被害が多くありました。全体の取引額の4分の1程度が不正取引で流通しているとも言われています。 このような状況から、真正性(正規品・本物であること)のある商品かどうかを確認できるように構築されたのが「AURAプラットフォーム」です。
これは事前に許可されたユーザーが利用し、複数人で管理する「許可制のコンソーシアム型」を採用したシステムです。
その結果、購入した商品の履歴情報や真正性を確認でき、情報管理も柔軟に行えるようになりました。
また、テイラーサービス(工場の作業者を効率的に管理するマネジメント)や顧客ロイヤルティ(企業・商品への愛着)の向上・ブランドごとのニーズに合わせた利用が可能なので、ブランドの方針に合った運用ができます。
[事例2]引っ越し時に発生する契約手続きの効率化
積水ハウスや日立・KDDIやエネルギー会社など、複数の企業が形成した「NEXCHAINコンソーシアム」の事例です。
賃貸住宅を探しているお客さん(もしくは探そうか迷っているお客さん)は、GoQuorumで構築したシステムを利用して、さまざまなサービスを利用できます。例えば、不動産仲介会社や大家さんの立会いなしで空き物件を閲覧したり、モバイルアプリやオンラインポータルを介して賃貸契約の手続きを簡略化したりすることが可能です。
また、これまでは賃貸住宅を借りた際のガス・電気・水道などは別々の会社にそれぞれ連絡して接続や停止・サービスの変更の手続きが必要でしたが、NEXCHAINコンソーシアムでは1つのプラットフォーム上でできます。
その結果、各社に連絡する手間が省けて、このシステムを利用するお客さんも企業側も効率よく手続きができるようになりました。
ConsenSysの会社概要

会社名 | ConsenSys Japan |
本社所在地 | 公式サイトに記載なし |
電話番号 | 公式サイトに記載なし |
業務内容 | ブロックチェーンソフトウェアの開発など |
公式URL | https://consensys.net/jp/ |